道具2(高周波ウエルダー)
縫製関係の道具シリーズです。
高周波ウエルダーと呼ばれているこの道具も、現在のテント屋には必須アイテム。
巾90cm又は100cmなどの生地を繋いで、大きな一枚の布にする為の道具です。
弊社のは旧式機ですが、現在はコンピューターで制御するタイプになりつつあります。
高周波というのは、周波数の高い電波の事。
電子レンジと同じ原理で加熱して接着する仕組みです。
多くのテント生地・シート生地は、表面が「ポリ塩化ビニール(PVC)」で覆われています。
「ポリ塩化ビニール(PVC)」は、熱可塑性という特性(熱を加えると柔らかくなる)を持っているので、加熱して圧力を加えると、お互いが融合してくっつくのです。
この道具は、加熱に「高周波」を使い、加圧は油圧シリンダで行っています。
他に、加熱を温風や熱ゴテで行う道具も有り、そちらは「ライスター」と呼ばれています。
昔は、この熱溶着の技術が無く、全て糸で縫う「ミシン縫製」で巾つなぎもしていました。
その場合、どうしても糸穴からの「漏水」があるので、縫製後に糸穴の「目止め処理」を行わなくてはなりませんでした。
熱溶着は、テント・シートの「耐水・防水性能」を高める上で重要な技術だったのです。