本当の故障箇所は?
10年ほど前に電動式の可動オーニングを取り付けたお客さまから
「スイッチが壊れたので手配して欲しい」と連絡が入りました。
スイッチは単純な構造なので滅多に壊れません。
モーターが動かないのは他に原因があると思い、点検に行きました。
すると、思った通り。
モーターは時々動きますが、途中で止まってしまう。
動いているときはしっかりしたギア音なので、モーター自体に不具合はなさそう。
さては、あそこかな?
やはりそうでした。
上の写真は巻き取りパイプを回すモーターのヘッドです。
中央に真っ白な部分がありますが、「クラウン」と呼ばれ回転数を感知する部分です。
問題は、その左側にある輪、少し黄ばんでいる部品。
「クラウンリング」と呼ばれているみたいですが、「クラウン」と「パイプ」を繋ぐ部品です。
これが腐食して破損していました。
そのため、回転数を感知できず、とんでもない所で止まったり、止まるべきところで止まらないという症状になります。
最悪はモーターを焼き切ってしまう事にも繋がります。
そこで「クラウンリング」だけ発注。
現在の仕様では黒い樹脂になっていました。
おそらく耐候性を高めたのだと思います。
この黒い新品リングを装着した写真です。
黒いリングには「フランジ」が有るのが見えますでしょうか?
この「フランジ」でパイプ端に引っかかって固定されるのです。
古いリングはこの「フランジ」が削れてしまってなくなっていました。
紫外線で樹脂が劣化したためだと思います。
モーターの全景です。
巻き取りパイプの中に装填されるので、普段はヘッド部分しか出ていないのでブルーの部分は見えません。
このブルーの部分に、モーター本体のコイルや回転子、減速ギアなどがコンパクトに入っています。
モーターユニットは10万円もする高価な部品です。
それに比べて「クラウンリング」は、送料を含めても桁が二つ違います。
安いんです。(高い方に二つじゃン千万円ですから)
モーター本体の焼き付きなどは、モーター全体の交換をしなくてはなりませんが、単に動かないとか動きが変だという場合、周辺の部品の不具合も考えられます。
現在電動式の可動オーニングをお使いの皆様は、モーターに変化が見えたときは早めにお近くの「テント屋」にご連絡下さい。
早いうちなら「安く」復帰させる事が可能かもしれません。
そして、動かない原因で一番多いのが
「コンセントからプラグが抜けてた」
です。
露出形スイッチの場合、スイッチボックスから出ている電源線を追っていって見て下さい。
ちゃんと壁のコンセントにささっていますか?
これは無料で直る秘けつです(笑)